
そんな疑問をもつ方におすすめの記事です。
今回は純資産額TOP3のETFを評価します。

結論から言うと、高配当株投資に時間をかけたくない人や初心者は
「iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF(1478)」に投資妙味がありそうです。


目次
評価ポイント
①コスト(信託報酬)
②利回り
③業種割合からみる安定感
④価格の推移、暴落時の耐性
⑤配当金推移
③は景気敏感株とディフェンシブ株の割合で評価します。(下図)
■業種区分
日本株高配当ETF「3選」
- NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信(1577)
- NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)
- iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF(1478)

■概要
銘柄名 |
野村日本株 高配当70 |
野村日経平均 高配当株50 |
MSCI ジャパン 高配当利回り |
---|---|---|---|
コード | 1577 | 1489 | 1478 |
構成銘柄数 | 70 | 50 | 40~100 |
特色 |
全上場企業のうち 配当利回りが高い 70銘柄で構成 |
日経平均株価の構成銘柄のうち 配当利回りの高い 50銘柄で構成 |
大型・中型の上場企業のうち 配当利回りが高い銘柄で構成。 銘柄数は固定せず。 |
純資産額 | 675.9億円 | 273億円 | 471.8億円 |
分配金回数 |
年4回 | 年2回 | |
分配利回り (税引前) |
3.25% | 3.78% | 2.57% |
売買コスト | 無料 | 無料 | 無料 |
信託報酬率 | 0.352% | 0.308% | 0.209% |
※売買コストはSBI、楽天、マネックス証券において無料

NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信(1577)
国内すべての上場株式で、今期予想配当利回りの高い70銘柄で構成されるETFです。
※利回り上位70銘柄ではない点に注意
利回り: 3.25%(21/10/21時点)
分配金: 年4回
信託報酬: 0.352%

■組入銘柄TOP10
No. | 業種 | 銘柄 | 組入比率 | 配当利回り |
1 | 輸送用機器 | ヤマハ発動機 | 2.17% | 3.12% |
2 | 化学 | 三菱ケミカルホールディングス | 1.96% | 2.42% |
3 | ガラス・土石製品 | AGC | 1.92% | 3.63% |
4 | 鉱業 | INPEX | 1.91% | 4.15% |
5 | 電気機器 | セイコーエプソン | 1.88% | 2.78% |
6 | 化学 | 住友化学 | 1.71% | 3.47% |
7 | 銀行業 | あおぞら銀行 | 1.70% | 4.71% |
8 | 保険業 | 第一生命ホールディングス | 1.68% | 3.15% |
9 | 銀行業 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 1.67% | 4.11% |
10 | その他金融業 | オリックス | 1.67% | 3.55% |
8位の第一生命(保険)以外はすべて景気敏感株です。
■業種別割合
銀行、化学、建設がTOP3です。
景気敏感業種3つで36%を占めています。


■景気敏感株、ディフェンシブ株の割合(組入金額)
約66%を景気敏感株が占めています。

景気敏感株に偏っているので不況時の減配、無配リスクが高そうです。
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)
日経平均構成銘柄のうち、今期予想配当利回りの高い50銘柄で構成されるETFです。
こちらは利回り高い順に50銘柄選ばれてます。
利回り: 3.78%(21/10/21時点)
分配金: 年4回
信託報酬: 0.308%

■組入銘柄TOP10
No. | 業種 | 銘柄 | 組入比率 | 配当利回り |
1 | 海運業 | 日本郵船 | 4.57% | 9.35% |
2 | 情報・通信業 | ソフトバンク | 3.72% | 5.62% |
3 | 卸売業 | 三菱商事 | 3.68% | 3.63% |
4 | 食料品 | 日本たばこ産業 | 3.50% | 5.60% |
5 | 銀行業 | 三井住友フィナンシャルグループ | 3.45% | 5.17% |
6 | 保険業 | 東京海上ホールディングス | 3.33% | 3.49% |
7 | 医薬品 | 武田薬品工業 | 3.33% | 5.57% |
8 | 銀行業 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 3.19% | 4.11% |
9 | 保険業 | MS&ADインシュアランスグループホール | 2.97% | 4.29% |
10 | 証券、商品先物取引業 | 野村ホールディングス | 2.96% | 6.27% |
景気敏感株、ディフェンシブ株の割合は半々くらいです。


■業種別割合
銀行、卸売、保険がTOP3です。
景気敏感業種である銀行、卸売で30%を占めています。


■景気敏感株、ディフェンシブ株の割合(組入金額)
約70%を景気敏感株が占めています。
不況時の減配、無配リスクが高そうです。


iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF(1478)
全上場企業のうち、利回りが高い大型・中型株で構成されています。
銘柄数は固定せず、40~100銘柄が目安にされています。
利回り: 2.57%(21/10/21時点)
分配金: 年2回
信託報酬: 0.209%
信託報酬はやや高め、利回りは低めです。分配金も年2回です。

■組入比率TOP10
No. | 業種 | 銘柄名 | 保有比率 | 配当利回り |
1 | 輸送用機器 | トヨタ自動車 | 5.57% | 2.4% |
2 | 建設業 | 大和ハウス | 5.51% | 3.3% |
3 | 保険業 | 東京海上HD | 5.29% | 3.5% |
4 | 情報・通信業 | 日本電信電話 | 5.17% | 3.5% |
5 | 情報・通信業 | ソフトバンク | 5.04% | 5.6% |
6 | 食料品 | 日本たばこ産業 | 4.97% | 5.6% |
7 | 情報・通信業 | KDDI | 4.91% | 3.4% |
8 | 卸売業 | 伊 藤 忠 | 4.84% | 2.8% |
9 | 小売業 | セブン&アイ・HLDGS | 4.72% | 2.1% |
10 | 保険業 | MS&AD | 4.66% | 4.3% |
ディフェンシブ株が8割を占めてます。情報通信が多いですね。

■業種割合
情報通信、保険、建設がTOP3です。
ディフェンシブ株の情報通信、保険で37%占めています。

■景気敏感株、ディフェンシブ株の割合
約58%をディフェンシブ株が占めています。
利回り低めなのが少し気になりますが、他の2つと違い暴落時の耐性がありそうです。

業種比較まとめ
3つ並べるとこんなかんじです。






配当金の推移
2018年~2020年までの年間配当金の推移です。
1478以外は、コロナショックの影響で2020年は減配でした。

株価チャートでパフォーマンス比較
3つのパフォーマンスを比較します。(コロナショック前後)
コロナ前後を見てみると、どれもコロナショックから立ち直ってますね。
このポイントは評価できます。
注目すべきはMSCI高配当(1478・黄色)です。
ディフェンシブ株が多いため他より暴落による下落率が低いです。
つまり暴落耐性があるということです。


評価まとめ
①NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信(1577)
→ 魅力欠ける
②NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)
→ 魅力欠ける
③iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF(1478)
→ やや魅力あり
「1577」「1489」の評価理由
魅力が欠ける一番大きな理由は「景気敏感株に偏りすぎ」という点です。
高配当株投資は株価の成長を期待しない投資方法なので、いかに配当金を安定させるかがポイントになります。
景気敏感株に偏っていると暴落時の減配、無配リスクが高まり、高配当株投資の目的から外れてしまうので魅力に欠けると考えます。
私なら投資対象から外します。

「1478」の評価理由
やや魅力ありとした一番の理由は、ディフェンシブ株割合が高く暴落耐性があることです。
つまり減配しにくいので高配当株投資の目的と合致します。
ただし、税引前利回りが約2.5%と低いのが残念ポイント。
税引後だと2%になってしまうので、やはり税引前で3~3.5%はほしいところです。
また、信託報酬も0.2%と決して安くはないです。
似たコンセプトの米国ETF「VYM」の信託報酬は0.06%。
VYMの投資信託である「SBI・V・米国高配当株式」は0.124%。
この辺と比べると見劣りします。
高配当株投資に時間をかけたくない人、初心者は投資妙味があると思いますが、
利回りを高めたい人、コストをかけたくない人は個別株ポートフォリオを組んだ方が良さそうです。



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私も少額から始めたのでSBIネオモバイル証券を使っています。
以上、投資の参考になれば幸いです。
お読み頂きありがとうございました!
