
どんなビジネスをしてる企業が優良企業なんだ?
こんな疑問を持つアナタにオススメの記事です。
優良企業を見分ける基準のなかでも重要なのが「営業利益率」です。
営業利益とは本業で儲けた利益。
営業利益率が高い=超儲かる仕組みをもってるってことです。
つまり長期間の利益が期待できるので優良株の証になります。
今回は「営業利益率TOP5の日本株」を紹介したいと思いますす。
並べてみるとアラ不思議、「ある特徴」が浮かび上がってきます。



ということで、一体どんな企業がランクインしたのか!?
さっそく見てみましょう!
目次
営業利益率TOP5の企業
まずはランキング。こちらがTOP5です。
※利益率=直近5年間の平均値(2017~2021)
ランキング | 企業名 | 営業利益率(%) |
---|---|---|
1位 | 全国保証 | 78.9 |
2位 | アサックス | 69.8 |
3位 | 宮越HD | 65.0 |
4位 | 手間いらず | 64.2 |
5位 | 日本取引所グループ | 56.6 |
1分解説:営業利益率とは
営業利益÷売上高で表せます。
営業利益=本業で儲けた利益なのでパン屋さんならパンを売って儲けた金額ですね。
投資で得た利益などはカウントしません。


営業利益率が高い企業には以下のような特徴があります。
(例)競合が不在、世界唯一の技術がある など
逆に、一般的にスーパーなどの小売り、商社など卸売りは利益率が低いです。
日本企業の平均営業利益率
経産省のレポートによると日本企業の平均値は「3.2%」だそうです。




1位 全国保証(7164)
・ビジネスモデル: ローン保証の手数料収入
堂々の1位は「全国保証」です。
営業利益率は圧巻の約80%。バグってます。
ビジネスモデル
住宅ローンを組むときに連帯保証人になってくれる会社。
ローン返済できなくなったら全国保証が返済してくれます。
わたしたちが契約時に全国保証に支払う保証料が全国保証の収入源です。

引用:全国保証HP

高利益率の理由

② ストック型ビジネス&キャッシュインが先
③ 独立系ゆえ幅広い金融機関、個人と契約できる
④ 審査の精度が高く貸倒率が超低い
① 無形サービス
手数料ビジネスゆえ工場、設備、倉庫など大きな固定費がかかりません。
モノを売るビジネスに比べ費用が少なくて済みます。
② ストック型ビジネス&キャッシュインが先
ここが大きなポイント。
固定収入があるビジネスを「ストック型ビジネス」といいます。
保証料は一括払いor月額払いが選べます。
月額払いの場合はもちろん、一括払いの場合も翌年以降に分割して繰越計上できますので「ストック型」になります。
売上が分割されるので経営が安定してるように見えます。
さらに保証料は「前払い」になっているので踏み倒される心配もありません。


③ 独立系ゆえ幅広い金融機関、個人と契約できる
全国保証は独立系のため広く事業展開することができます。
通常は三菱UFG銀行からお金を借りようと思ったら、系列保証会社とのやりとりになります。
この系列会社は三菱UFJとしか商売ができないのでビジネスが広がりません。
しかし全国保証は「系列」など関係ナッシング。誰とでも商売できます。
そのかわり独立系は「確かな実力」が求められます。
④ 審査の精度が高く貸倒率が超低い
貸倒費用も競合に比べて低いです。
・ジャックス: 0.05%
・オリコ: 3.3%
営業利益率の推移
過去10年の営業利益率の推移はコチラ。


課題をあげるならシェア。
住宅ローン保証業界でのシェアは10%未満なので大手の牙城を崩せるかがポイントですね。
2位 アサックス(8772)
・ビジネスモデル: 不動産担保のローン事業
ビジネスモデル


顧客は中小企業や個人事業主。貸付金の手数料が主な収入源です。
貸付のフットワークが軽いのが評判のようです。

ここが同社の強みで「独自のノウハウ」で貸倒率が低く抑えられているようです。(詳細は非公開)
実績として直近5年間では2020年を除き「貸倒損失」はありませんでした。
高利益率の理由

営業利益率の推移




売上が10年前から横ばいなので成長性は低いですが、利益はゆるやかに右肩上がり。
営業利益率は年々高まってますので強い収益構造を持ってると言えそうです。
売上が伸び悩んでて頭打ち感があるのがネックですね。
3位 宮越HD(6620)
・ビジネスモデル: 中国(深圳)における不動産賃貸・開発業
ビジネスモデル
この会社、ちょっと変わった事業をしてます。
上では「不動産賃貸・開発業」と書きましたが、この会社が目指すのは「総合投資会社」らしいです。

詳しくは同社のHPがわかりやすいですが、同社は深圳に広大な土地を持っており今は土地収入が収益源になってます。
中国の国家プロジェクト「深圳プロジェクト」で誘致した企業から不動産収入を得ています。
深圳に「テクノロジー都市」を作るプロジェクト。中国の国家戦略の1つ。
世界中から優秀なハイテク企業を呼び込み、中国のハイテク産業を飛躍させる目的。
宮越HD 深圳プロジェクトfa-external-link

ここで稼いだ金を原資に「投資会社」に変貌する計画のようです。
懸念点は中国の政治リスク、中国景気の減速、米中摩擦の悪化。
特に政治リスクが大きいですね。
高利益率の理由

営業利益率の推移
ここ数年で急上昇していますが来期は大幅減少。
深圳の再開発を見込んで長期契約テナントを見送ったり、計画的減益を見込んでるようです。
4位 手間いらず(2477)
・ビジネスモデル: システム販売・手数料収入
ビジネスモデル

楽天トラベル、じゃらんなどと提携し、ホテルなどに「予約管理システム」を売ってる会社。
↑がその管理画面。

このシステムに特化した会社で、まさにニッチ分野の成功事例。
「手間いらず」は月額制で、メインの収益源になっています。
高利益率の理由

営業利益率の推移
ホテル業界はコロナで悲惨な目にあいましたが、手間いらずは「コロナ知らず」の状態です。

ホテルはお客が来ないと売上が上がりませんが、システムは関係ないですからね。
ただしコロナで廃業になるホテルもでてきて、解約が増えてるのも実情です。

懸念点は参入障壁がそこまで高くないこと。
大手が参入しづらいニッチ市場かもしれませんが、システム自体のハードルは高くなさそうです。
どのようにシェアを維持するのか注目ですね。

5位 日本取引所グループ(8697)
・ビジネスモデル: 手数料収入
ビジネスモデル
投資家ならみんなお世話になってるこの会社。
そう。東証を運営してる会社です。
主な収益源は手数料です。
・証券会社との取引手数料
・上場時の手数料
・情報サービス会社への情報提供代
■ビジネスモデル図解
高利益率の理由


営業利益率の推移

日本の株式市場を仕切ってるのはこの会社だけ。
つまり独占ビジネスだからです。
主なコストはシステム維持費、人件費、光熱費のみ。
システムトラブルなど突発の修理が無い限りコストは安定します。
そして上場会社や株の売買がある限り絶対につぶれません。
懸念点は日本の政治。
投資家に逆風の岸田政権はまさにリスク。
海外投資家が日本に投資しなくなって売買手数料が減るのが痛手です。

筆者が買いたい企業
全国保証と日本取引所です。
ただ懸念点もあるのでしっかり押さえましょう。

・日本取引所: 独占ビジネス
・日本取引所: 日本の政治リスクが大きい
投資適正の総合評価はコチラです。
安全性、成長性、収益性、割安性、株主還元の5特性をスコア化してます。(青は全体平均)
■全国保証
■日本取引所
※日本取引所は自己資本比率=0.5%なので安全性が低くなっていますが、
特殊な資産計上をしているので実際は70%以上あり財務は健全です。


■日本取引所グループ


2社とも株主還元、安全性、収益性は平均以上。
しかし割安度が低く成長性が高くもない。
株価もボックス相場orゆるやかな成長なので通常時は買わない方が賢明。
基本は暴落時に仕込んだほうが良さそうです。
また、弱点であげたポイントもしっかり押さえる必要があります。
特に日本取引所は岸田政権下では大きな成長が期待できません。
よって、ゆるやかな成長からボックス相場、弱気相場入りする可能性があるので買い時は注意が必要です。
まとめ
・固定収入がある。
・固定費が少額。工場、設備、倉庫などが不要。
・独占ビジネスである
いかがでしょうか。
私見ですが、全業界において今後は「無形の固定収入があるかどうか」で明暗が分かれると考えています。
たとえばトヨタも「KINTO」という「クルマのサブスク(月額制)」サービスを始めました。
利益を生むのが「有形資産から無形資産」に移っていく時代が来てるように感じます。
企業の中計や決算時にはこういう取り組みをするかどうか着目すると良いでしょう。
以上、お読み頂きありがとうございました。
今後も当ブログをごひいきにして頂ければ幸いです。

参考にさせて頂いたサイト
企業特性をスコア化したデータは、以下のツールで作成しました。
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