バリュー株投資の時代到来!?利上げ局面に強い株、弱い株

アメリカの「利上げ」が紙面やネットニュースをにぎわしてますね。

「利上げでナスダックが連日続落!」

「マザーズ市場壊滅!」

といった不穏な見出しが目立つ今日この頃。

しゃちく君
なんか不安になってきた・・・。今後はどういう投資スタイルにしていくべきなの??

しゃちく君
てか、そもそも利上げって何?株にどんな影響あるの?
という疑問の方にオススメの記事です。

まぁいろいろあるんですが、先にズバッと結論を。

利上げ局面ではバリュー株投資がオススメです。

代表例は素材株やエネルギー株です。

しゃちく君
なんで?そもそもバリュー株って何?

わんわん工場長
ということで!いろいろとわかりやすく解説しますね!

この記事を見るだけで、世界の情勢と株式のトレンドが一気にわかるようになります。

オススメの優良バリュー株も一部紹介していますので是非ご覧ください。

※投資は自己責任でお願い致します。

利上げになるとどうなるの?利上げとは?

そもそも利上げってなんだよ。って話です。

「知ってるよ!」って方はスルーでOKです。

利上げとは?~図解~

利上げとは政策金利(短期金利)の引き上げのことです。

端的に表すと「中央銀行が民間銀行にお金を貸すときの金利をあげること」です。

それが波及して景気を動かします。

しゃちく君
なるほど、わかりやすい
また、利上げは短期金利だけでなく、長期金利の上昇にも間接的に影響を及ぼします。
長期金利が上がると以下のようなことが起こります。
長期金利上昇による影響(一例)
・長期債の利回り上昇
・借金の支払い利息が増える

長期債の利回りが上昇する

利上げは10年国債などの長期債の利回りを上昇させます。

年利1%→2%になるイメージ。

低リスクの債券でもらえるリターンが増えるので、ハイリスクな株への魅力が減ります。

あるいは株に高いリターンを求めるようになります。

わんわん工場長
いままで株=5%のリターンでOKだったけど、低リスクの債券で2%なら株=7%は欲しいよね~、ってなります。

債券の魅力が増すので株式市場から資金が流出し、株価が下がります。

借金の支払い利息が増える

利上げになると民間銀行から借金するときの利率が上がります。

つまり支払利息が増えます。

企業の借入金や、個人の住宅ローンが該当します。

わんわん工場長
同じ100万の借金でも、1万円の利息が2万円になっちゃいます。

しゃちく君
それはイヤだ!!

後述しますがこれはグロース株にとって超逆風になります。

インフレが抑制されて通貨価値の下落をとめる

しゃちく君
上の図にあったけど、不景気につながるなら利上げしないほうがいいんじゃ?

わんわん工場長
今回の利上げ背景にはインフレが絡んでるのでそうもいかないんです。
インフレになってる理由 ※2022/1現在
・金融緩和でお金があふれてる
・急激な需要回復で供給が追いつかない
・感染回避で労働市場に戻らない人がいて労働力が足りず賃上げが起こっている
・エネルギー需要の逼迫

しゃちく君
めっちゃ色々起こってるじゃん!

わんわん工場長
コストがあがる「悪いインフレ」って感じですね。

利上げは企業の事業投資を抑制します。

すると景気が冷やされ、モノやサービスの値段が下がりインフレが抑制されます。

アメリカでは物価が上がり続けてインフレ状態になってます。

1個100円で買えたものが1000円になるわけですから、お金の価値が下がってるとも言えます。

通貨の価値が下がると、みんなその通貨を持ちたがりません。

特にドルは基軸通貨なので通貨の安定を図る必要があります。

つまり利上げをして、過度なインフレ(=通貨価値の下落)を抑制する必要があるのです。

なぜバリュー株がオススメなのか?

理由は以下の3点です。

理由
①グロース株が伸び悩むので相対的にバリュー株の魅力が増す
②配当によって損益が安定しやすい
③1株あたりの現在価値が相対的に下がりにくい

グロース株が伸び悩むので相対的にバリュー株の魅力が増す

利上げになるとグロース株は伸び悩みます。

なぜなら「借金の支払い利息」が増えるからです。

中小型のグロース株ほど借金によって事業投資し、規模を拡大します。

利上げされると借金の返済が苦しくなるので「借金を控え事業投資を抑える」ようになります。

すると企業成長は鈍化し、投資家の期待も下がるので株価も伸び悩みます。

わんわん工場長
グロース株に投資する人は「大きな値上がり」を期待していますから、伸び悩むのがわかってるなら投資しないですよね。

配当によって損益が安定しやすい

一方バリュー株は堅調な株価」と「安定した配当」を期待しやすいです。

バリュー株は成熟企業が多く、株価上昇による爆益はないものの

「盤石な経済基盤」「安定した事業」「高い配当利回り」といった企業が多いです。

グロース株による爆益が見込めないので、相対的にバリュー株の魅力が増すのです。

しゃちく君
倒産リスクも低いし安定して配当がもらえるって感じね。

わんわん工場長
2022/1/13 日経新聞でも割安株(バリュー株)に資金が急速にシフトしているとの記事も出ていました。

引用: 1/13発行 日経新聞より

1株あたりの現在価値が相対的に下がりにくい

ここは難易度高めなのでDCF法がわからない方は飛ばしてOKです。

「DCF法」によって計算される将来利益の現在価値が、バリュー株のほうが下落幅が小さいくなります。

わんわん工場長
DCF法とは、機関関投資家や著名投資家が使う「理論株価」の算出方法です。

「将来利益の現在価値」とはわかりやすく言うと「10年後にもらえる100万円って現在の価値はいくら?」って考え方です。

仮に年5%運用できる場合、10年後の100万の現在価値は約61万円です。

年7%だと現在価値は51万になります。

このように期待する利回り(リターン)が大きいほど現在価値は減ってしまいます。

これを株価に当てはめて考えてみましょう。

利上げは債券の利回りを上昇させますので、いままで株で5%のリターンがもらえたらOKだったけど、

低リスクの債券でも2%もらえるなら株だと「7%は欲しいよね~」ってなります。

つまり利上げになると株価の現在価値が下がってしまうんです。

すると「今保有してる株」が割高になるので売られやすくなり、株価が下がるのです。

しゃちく君
なるほど・・・おそろしや・・・!

わんわん工場長
モデルケースでバリュー株、グロース株の現在価値がどう変化するか見てみましょう。
■例
前提: 株式の期待リターン=5% or 7%の場合

①毎年100円の利益を安定的に稼ぐ企業(バリュー)
②3年目まで利益ゼロだけど10年後に100稼ぐ企業(グロース)

このとき、①②の適正株価はどうなるか?

■モデル図

■計算結果

バリュー株 グロース株
5%の場合 適正株価 2,000 1,356
7%の場合 適正株価 1,429 835
減少率 29% 38%

グロース株の方が減少率が大きくなりました。

グロース株のほうが「期待するリターン」が大きいためです。

このようにバリュー株のほうが適正株価が下がりにくく利上げ局面では好まれやすいです。

チャートからみる優位性

アメリカのバリュー小型株をグロース小型株で割った比率の推移をみても、「バリュー株優位」が読み取れます。

2021年以降、バリュー株優位のトレンドに切り替わっています。

バリュー株の業種、オススメの優良バリュー株は?

じゃあ具体的にどんな業種、株に投資妙味があるのか?

それは、銀行株、エネルギー株、素材株、生活必需品株などです。

※日本は利上げしないので日本株の場合は銀行株は除きます。

これらの業種は成熟した企業が多く、相対的にPERやPBRが低く「割安に放置されてる株」が多いです。

基準をざっくり示すなら「PBR=1倍以下、PER=その業種の平均PER以下」の銘柄が対象になります。

わんわん工場長
優良バリュー株を紹介しましょう。

優良バリュー株の紹介、探し方

優良バリュー株の代表例
・三菱HCキャピタル(8593)
・日本特殊陶業(5334)
・住友倉庫(9303)
・ジャックス(8584)
・モリ工業(5464)
・天龍製鋸(5945)
企業名コードPERPBR配当利回り
三菱HCキャピタル85939.020.74.36
日本特殊陶業53348.270.874.84
住友倉庫93039.190.84.37
ジャックス85845.980.595.12
モリ工業54645.480.453.49
天龍製鋸59458.110.493.8

しゃちく君
あれ?なんかアレに似てない?

わんわん工場長
そう!高配当株と似てますよね。
ということで、バリュー株を探すときは高配当株の探し方をすればOKです。

PER,PBRを一覧化して探すなら「バフェットコード」というサイトが便利です。

バフェットコード

↓のようにPERとPBRの条件を掛け合わせると対象企業が出てきます。

もっと詳しく財務指標をおさえたい方はこちらのツールがオススメです。

【無料公開】日本株で高配当・連続増配株は?優良銘柄を簡単に分析可能!ポートフォリオを自作しよう!

「投資家バクさん」が開発された銘柄スクリーニングツールです。

レーダーチャートやグラフで財務指標の企業間比較がカンタンにできます!

他にも超優秀な機能が無料で使えますのでかなりオススメです。

わんわん工場長
たぶんスクリーニングツールとして最強なんじゃないかな?

ちなみに2022/1/13の日経新聞でも、日経平均に対し高配当株がアウトパフォームしてることが記載されていました。

高配当株(≒バリュー株)のトレンドが来ているということですね。

引用: 1/13発行 日本経済新聞より

一方、日本の中小型グロース株が集まるマザーズはずっと下落基調。

FRBの「早期利上げ」思惑が明らかになった22年1月移行、さらなる下落が続いています。

引用:https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20220120-00000051-stkms-market

しゃちく君
グロースが不人気化して高配当株(≒バリュー株)が人気化してるのね。

いつまでバリュー株優位が続くか

少なくとも2023年まではバリュー株トレンドが続くと思います。

下図はバリュー株とグロース株のトレンドサイクルです。

一度トレンドが始まると2年以上は続いています。

つまり2021年からバリュー株トレンドが始まったとするなら2023年までは続くでしょう。

まとめ

まとめ
  • 利上げ局面ではバリュー株が投資妙味あり
  • バリュー株≒高配当株。高配当株の探し方で優良バリュー株を見つけよう
  • バリュー株トレンドは2023年まで続く見込み

いかがでしょうか。

利上げは株や債券など、金融市場に広く影響します。

この記事を読んで

「利上げってそういうことなのかぁ~」「株にこんな影響があるんだな」

と気づき、みなさんの投資に役立てれば非常に幸いです。

また本記事作成にあたり参考にさせて頂いた動画をご紹介します。

参考動画

公認会計士・ひねけんさんによる「利上げ局面でなぜ株価が下落するのか」を解説された動画です。

わんわん工場長
内容も非常にわかりやすく投資家は必見の動画だと思います!

以上、お読みいただきありがとうございました。

今後も当ブログをごひいきにして頂ければ幸いです。

わんわん工場長
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