
本記事をご覧いただきありがとうございます。
以前、「高配当株でやってはいけないこと5選」という記事を書きました。


ということで今回のテーマは「高配当株の正しい買い方」です。
早速ですが結論。
正しい買い方は「暴落時の一点買い」です。

と思ってる方。
少々お待ちください。
値動きの感覚をつかむために少額で始めるならOKです。
でも目的がFIREなど大きなキャッシュフローを作りたいときはご注意。
「通常時に絶対買うな」とは言いませんがオススメしません。
その理由をご説明します。
目次
暴落時一点買いが「正しい買い方」な理由
通常値~高値で買うと暴落で利益が吹き飛ぶ
これが最大の理由です。
通常値~高値で買うと暴落で利益が全て吹き飛びます。
何年も積み重ねた配当金も飛びます。
どういうことか、人気高配当株の「オリックス」を例に見てみましょう。


1株1100円~2000円をウロウロしてます。
もし2015年の高値「1株=2000円」で100株買ってコロナショックを迎えたらどうなるか?
結果はこうなります。
年 | 1株配当額 | 保有株数 | 配当額 | 株価 | 株価総額 |
---|---|---|---|---|---|
2015 | 36 | 100 | 3600 | 2000 | 200,000 |
2016 | 46 | 100 | 4600 | - | - |
2017 | 52 | 100 | 5200 | - | - |
2018 | 66 | 100 | 6600 | - | - |
2019 | 76 | 100 | 7600 | - | - |
2020 (コロナショック時) | 76 | 100 | - | 1100 | 110,000 |
合計 | 配当金合計 27,600 | 含み損 -90,000 |

コロナショックを食らってもプラスにしたければ、1株=1370円で買う必要がありました。
これは2015年の最安値とほぼ同じです。
高配当株は株価が上がりにくく暴落に弱い特徴があり、高値で買うと損をする確率が高いです。

高配当株は株価が成長しづらい
高配当株は事業投資しても大きな成長が見込めない成熟企業が多いです。
つまり株価が成長しづらい特徴があります。
株価は「利益の事業再投資」によって、企業が成長すると伸びます。
しかし高配当株は「投資案件がない」成熟企業が多く、事業が成長しにくいので株価も伸びにくい、ということです。

ここで成長株(グロース株)のキーエンスとオリックスの株価成長を比べてみましょう。


株価はオリックスが約10年間横ばい。
一方、キーエンスは約20倍になっています。
そして高配当株は「暴落で大幅安→数年かけて暴落前の水準に戻る→少し株価が上がって暴落」というサイクルを繰り返しやすいです。
高配当株は暴落からの株価の回復ペースが遅いのも特徴です。
再びキーエンスとオリックスを比較します。


コロナショックでは大規模な金融緩和策のおかげで早めに株価が回復しましたが、
リーマンショックでは、あの米国の最強指数「S&P500」ですら暴落前水準に回復するまで6年かかってました。
市場平均を表すインデックス指数でそのくらいかかるということは、高配当株は10年くらいかかることも覚悟しなくてはなりません。


景気敏感株が多く暴落に弱い
景気敏感株とは、景気動向によって株価が大きく上下しやすい銘柄のことです。
暴落になると日経平均以上の株価下落率を叩き出すもの、と思ってください。
コロナショックでは日経平均が約30%マイナスに対し、オリックスの場合は約45%マイナスになりました。

高配当株はこのような景気敏感株が非常に多いです。
参考までに、「高配当ETF」では景気敏感株がどのくらい割合を占めるのか?を見てみましょう。
日本高配当ETFで最もメジャーな「NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信(1577)」はこんな組成です。
■1577 全70銘柄割合(利回り3.25%)
7割近くが景気敏感株なんですね。
高利回りを狙って高配当株を集めると、こうなっちゃうんです。
暴落に弱く、株価も伸びにくい。
高値づかみをしようもんなら、1回の暴落で何年も含み損を抱えることになる。
高配当株の「暴落時1点買い」を推奨する理由がお分かりいただけたでしょうか。
暴落で買うメリット
大きく二つあります。
- 高配当株が「超高配当株」になる
- 高配当と含み益の総取りが可能
どういうことか、オリックスで見てみましょう。
高配当株が「超高配当株」になる
コロナショック時に買ったとします。
・コロナ前: 1950円
・暴落後の最安値: 1100円
暴落の底値で買うのは不可能なので、「赤三兵」後の1,350円で買えたとします。
※赤三兵を使った買い方についてはこちらをご覧ください。

2020年の配当金は1株=76円。
1350円で買えたら、なんと配当利回りは5.6%になります(76÷1350)

コロナ前の1950円でも利回り3.9%で魅力的ですが、5.6%と3.9%は、100万投資して1.5万の差がでる計算。これは大きいです。
日本株で6%近い優良高配当株はめったにいません。


高配当と含み益の総取りが可能
株価が回復すると配当益だけでなく含み益もバッチリ確保できます。
倒産リスクがない限り、時間をかけて暴落前の適正な水準まで株価は回復します。
そう、これが高配当株の最強必殺技。
「高配当&含み益の総取り」です。
オリックスの例でどんな「総取り」になるのか見てみましょう。
fa-tags1350円で100株買えて、株価が1950円に戻った場合
・投資総額: 135,000円
・含み益: 60,000円
・配当金: 7,600円(2020年1株=76円配当)
・利益合計: 67,600円
・トータルリターン: 50%(税引前)(67,600÷135,000)
(配当金なしの場合: 44%)
いかがですか。これが高配当株の爆発力であり醍醐味です。
低配当株の場合はキャピタルゲイン(含み益)のみですが、高配当株は高配当によってリターンをググッと引き上げてくれます。
この技が決まったら最高にエクスタシーじゃないですか?
ぜひ皆さん悦に浸るなり、Twitterでドヤってください。

引用:漫画 テニスの王子様


暴落による一時的な値下がりは「優良な超高利回り商品」を手に入れる絶好のチャンスです。
もちろん、暴落時は倒産しそうな「高利回り罠銘柄」もあるので銘柄選定は十分に気を付けてください。
コラム:高配当株の積立投資はありなのか?
個人的には非推奨です。
「積立投資をする」背景には「リスクを抑えたい」気持ちがあると思います。
つまりリスク許容度が高くないということです。
そのような方はきっと高配当株の暴落に耐えられません。
いざ暴落になったら焦ってしまい、回復の早いハイテクグロース株に目を奪われて、乗り換えたくなる。
SNS等で損切り報告なんかを見た日にはもう耐えらなくなり、高配当株を投げ売ってしまい損失を膨らませてしまうでしょう。

でも、この流れを読んで「ドキッ」とした方はやめておいた方が良いと思います。
まとめ
- 高配当株の鉄則は「暴落の一点買い」
- 高配当株は暴落に弱く、高値づかみは命取りになる
- 超高配当&含み益の総取りでウハウハになれる
高配当株は焦らないことが大切です。
配当金に目がくらんで安易に大金をつぎこまないようにしましょう。
暴落が来てから本気を出せばいいんです。
それまでは貯金するかインデックスやグロース株に投資してキャピタルゲインを稼いでください。
じっと伏せて獲物を観察し、確実に仕留める。
ライオンのような気持ちでいることが成功の秘訣かなと思っています。


暴落が来て買い場のチャンスが来たらTwitterなどですぐに発信します。
超高配当と含み益の総取りを目指して高配当株を一緒に攻略しましょう!
以上、お読みいただきありがとうございました。
今後も当ブログをごひいきにして頂ければ幸いです。
