


























ということで、今回はバフェットが使ってる理論株価の出し方をご紹介します。
厳密にいうとバフェットは「理論株価」を現在株価と比較するのではなく、理論株価から導く「期待収益率」で投資判断をします。
具体的に言うと「10年後の株価」を予測して、「いま投資したら何%のリターンが得られるか?」を計算するんですね。
この「リターン(%)」のことを「期待収益率」と言います。
期待収益率を他の銘柄や債券などと比較して「投資する価値があるか?」を判断します。
理論株価の出し方はいろいろあります。
DCF法、簿価純資産法、配当還元法など。
また「ダイヤモンドZAI」「東洋経済」「株探」などが理論株価を公開してますが、計算方法が違うんですね。
なので絶対的な答えが無いのが現実です。

※今回は計算式がたくさん出てきますが、やってみると案外簡単です。
また細かい理屈までブログで解説すると100%収まりきらないので、詳細は割愛させて頂きます(すみません)
もし質問があればTwitter等でご連絡ください。
目次
理論株価の計算方法はこれだ!!
ざっくり説明すると以下の方法で「10年後株価」と「期待収益率」が計算できます。



↓
・現在株価と比べて期待収益率を出す
↓
・期待収益率を他の金融商品と比べて魅力的がどうか判断する
ということで、まずは「10年後の理論株価」「期待収益率」の計算方法を説明します。
具体的な計算手順は以下の通り。
② 10年平均内部留保率を出す
③ 10年平均PERを出す
④ 現在のBPSを調べる
⑤ 「①」×「②」でBPSの成長率を出す
⑥ 「現在のBPS×「1+⑤」^10」 で「10年後の理論BPS」を出す
⑦ 「⑥」×「①」で「10年後のEPS」を出す
⑧ 「⑦」×「③」で10年後の期待株価を出す
⑨ 10年後の株価と現在の株価から「期待収益率」を算出する
⑩ 期待収益率を他の株や債券などと比べる


各値の計算方法
文字で書くと大変に見えますが、エクセル使ったら超簡単です。

例:KDDIとキッコーマンの理論株価を出してみよう
ディフェンシブ優良株である「KDDI」と「キッコーマン」で比べてみます。
まずPERで割高、割安の印象をみてみましょう。
キッコーマン: 31倍
KDDI=情報通信業界。平均PERは「24倍」
キッコーマン=食料品業界。平均PERは「23倍」
比較するとKDDIは業界平均に比べて割安、キッコーマンは割高な印象ですね。
この印象をふまえて理論株価を出してみましょう。
KDDIの理論株価
データはこんな感じになります。※22/3/11時点
10年後の株価: 9125円
現在の株価: 3870円
期待収益率(リターン): 9%


KDDIはなぜ割安で良いと言えるのか?解説します。
KDDIの期待収益率=9%です。
GPIF(年金機構)によると日本株の平均期待収益率=5.6%なので平均以上のリターンが期待できるとわかります。

引用: GPIF資料より
ちなみに期待収益率が5.6%だったら現在株価は5291円になります。
(10年後の株価=9125円を5.6%で10回割り戻す)
つまりKDDIの成長を保守的にみても現在株価=3870円は割安と言える、ということです。
キッコーマンの理論株価
現在の株価: 7.950円
期待収益率: 0.8%





必要なデータは「IR BANK」から入手しよう
10年分のデータを手に入れるのは「IR BANK」が便利です。
以下の場所からcsvファイルを入手できます。
現在株価やBPSを調べるときはいつも「Yahoo!ファイナンス」を使ってます。

参考:私の計算方法(アレンジ版)
10年後株価を出すときにに使う「PER」は10年平均PERではなく、業界ごとのPER係数を使ってます。
理由は高値づかみを避けるためです。
高PER銘柄は平均値も高くなりがち。
そもそも高PER株は「事業で稼ぐ利益<期待値」の状態が株価に反映されてるわけですから。

加えて、割高に見すぎないようにPERのMAX値を「20」にしています。
たとえば食品業界のPER=23倍ですが、20倍にして見てます。
キッコーマンのPER=20倍でみると、10年後の期待株価は4979円。
現在株価7960円なので期待収益率はなんと「-5%」です。

書籍の紹介:バフェットの銘柄選択術
今回ご紹介した手法は以下の書籍に詳しく書いてあります。

バフェットがどういう基準で、何を見て銘柄を選んでいるのか書かれています。
ワンランク上の投資家を目指したい方にオススメです。
まとめ
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株を買うなら理論株価(相場)を知ろう
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理論株価はエクセルで簡単に計算できる
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10年後株価、期待収益率をみて割高割安を判断しよう
いかがでしょうか。
今回紹介するバフェットの方法も絶対ではありません。
とはいえ「世界一の投資家」です。
その投資手法を学ぶ価値は大いにあるのではないでしょうか。
また「自分で計算できるようになる」というのは大きな強みになります。
ダイヤモンドZAIや東洋経済は雑誌のためタイムリーな情報が入手できません。
「暴落や下落局面=買い場」と言われますが、この企業を買うならいくらが適正なのか?
これを知らないと買えないですよね。
いままで「ノリや感覚で投資してた」という方はぜひお試しください。
ぜひ自分で理論株価を計算できるようになってワンランク上の投資家を目指してみてください!
みなさんが「1本=1000円の水」を買ってしまわないよう、お役に立てれば幸いです。


以上、お読み頂きありがとうございました。
今後も当ブログをごひいきにして頂ければ幸いです。